PCの大きな値段差の理由は?

よくいただく質問として、下記のようなご質問をいただきます。

「仕様同じにしてもA社とB社でPCの値段が大きく違うのだけど、何が違うの?」

答えは、見えない以下の仕様があります。

①部品グレード
②出荷前品質保証コスト
③保守品質
④(商流)

1.部品グレード
PCのコンポーネントにはグレードが存在しています。
例えばマザーボードだとグレードによってチップが異なっていたり、利用できるLANの規格が
変わってきますが、以下の重要な要素も忘れてはなりません。


Asrock社のマザーボード比較から引用
https://www.asrock.com/mb/compare.jp.asp?Models=Z690%20Taichi,H670%20Steel%20Legend,B660%20Steel%20Legend,Z690%20Steel%20Legend


1-1.熱設計
グレードによって構成が異なっています。例えば、ファンの数やヒートシンクの有無、
コンデンサのグレード、安全回路の数等です。半導体はXX℃でYY万時間と、温度によって
寿命規格があるため、当然上位グレードになるにつれて信頼性が向上します。
また、特に重要なのが冷却による性能の維持です
PCは内部温度(CPUやGPU)が上がりすぎると、保護のために性能を自動的に落とします。
タクトタイムの都合でPCスペックを要求する場合、長時間負荷テストを実施して冷却が
間に合うかを検証する必要があります。もちろん、検証が増えるとコストも増加します。

1-2.ロバスト設計
極端に値段が異なる場合は構成がサーバー向けの場合があります。
PC(サーバー)の電源が投入されたまま、HDDや電源を交換できるタイプは高額になります。


2.出荷前品質保証コスト
PCパーツやPCの多くは台湾、中国で製造されています。そのため、工場出荷時の検査に加えて、
国内入荷時に全数検査をするなど、メーカーやグレードでコストのかけ方が変わってきます。
PC納入前に負荷テストをして、初期不良を洗い出す検査もあります

3. 保守品質
形あるもの必ず壊れます。それは動作物が少ないPCにも当てはまります。
故障対応には2つの契約方法があります。購入時に指定する必要があります。
購入後や保守期限切れた後にも保守を利用したい場合、第三者保守というサービスがあります。


3-1.センドバック保守
故障した場合、PC自体をメーカーに発送します。交換部品をどのようにプールするのか、
国内に修理拠点があるのか海外なのかで対応期間が変わってきます。
短ければ1週間、長いと数ヶ月かかる場合があります。

3-2.オンサイト保守
故障したPCが設置している場所までサービスの人間が訪問し、修理対応する方式です。
契約によってHDDを返却するかどうか、24時間以内に対応可能かなどがあります。
人手が必要なので、センドバック保守より高額になります。


4.(商流)
外資大手のPCの場合、中国で一貫かつ大量生産するため非常に安価になりますが、
在庫がない場合は生産待ちで数ヶ月かかる場合があります。
国内製造メーカは自社で全コンポーネントを製造できるところがなく、
一部(特にGPU)もしくは、全パーツを海外パーツメーカーから輸入しています。
といった事情がありますが、会社として大量調達している取引先がある場合、非常に安価に
なる場合がありますので、自社内のPC調達担当者にご相談したほうがよいです

個人的には国内生産、出荷前の耐久テスト、保守3年以上で上位グレードパーツのPCを推奨しています。
(弊社推奨PCは上記を満たしています。)
ゲーミングPCの価格は非常に魅力的ですが、耐久性や保守、商流によって上位モデルと価格が逆転する場合があるので、導入規模に応じて見極める必要があります。

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