第3回 大分高専×MENOU AI コンテスト 4班「規格外野菜・歩行者信号の判別」

[目的]
人手不足や後継者不足が問題視される農業分野において、規格外野菜の判別を自動化することで人員配置の最適化および作業の効率化などをすることができる。
他方で、技術の進歩が著しい現代において視覚障碍者の生活難易度は依然として高く、それを技術の面から改善する様々な試みがこれまでに行われてきた。今回、我々の班は歩行者信号の判別という側面からその生活難易度の改善を図る。

[学習内容]
①規格外野菜の判別
今回判別する野菜の対象はトマトとした。具体的な学習の手順は以下に示す。
1.画像中の野菜が映った領域を学習。それがトマトであれば次の手順に移る
2.トマトの色や表面の傷を学習し、出荷可能と出荷不可能というクラスに分ける
以上の学習を様々な解像度で行い、正答率の比較を行った。

②歩行者信号の判別
次の歩行者信号判別で判別したのは歩行者信号の色に関してである。分類としては1.赤色2.青色3.無点灯または不明の3つを用意した。具体的な手順は以下のようなものである。
1.画像中の歩行者信号が映っている領域を学習する。もし検出ができた場合は色の判別に移る
2.検出した領域に映る信号の色を学習する
以上の手順を様々な解像度で行い、正答率や学習結果を検討した。

[結果]
①規格外野菜の判別
規格外の野菜は、形状や色など判別しやすい点に差異が出るため、低解像度でも十分な正答率を得ることができた。具体的な結果は以下の画像のようになった。

②歩行者信号の判別
ある程度解像度を下げていくことで高い正答率と低データ容量を両立するような画像サイズを見つけることができた。具体的な結果は以下の画像に示す。

[考察]
規格外野菜の判別に関しては、判別しやすい点に差異が出るということが特徴として挙げられたものの、低すぎる解像度帯ではヘタの形状などが学習のノイズとして正答率に悪影響を与える現象が見受けられた。
歩行者信号判別については、解像度が高い場合は背景の影響が大きく、かえって正答率が高いという特徴があった。一方で、解像度を下げることで背景の複雑性が均一化され、1/8の画像サイズでは正答率が上がっていったのではないかと考える。また、低解像度帯では順当に歩行者信号の正答率が下がった。

[改善点]
より正答率を上げるためには様々な改善点が考えられる。主要なものは以下のものである。
1.検出対象物との距離が遠い場合(ノイズとなる背景が占める面積が大きくなる場合)は正答率が下がるため、実用上はカメラのズームなどを活用することで改善することができるのではないかと推察される。また、カメラのズームによる解像度の低下を利用して最適な正答率の点に近づけることもできるのではないかと考えられる。
2.歩行者信号の判別などでは赤色と青色のどちらかを確実に判別できれば使用することができるような問題では、より手順を効率化し、学習速度を上げられると考える。

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