【そもそも編】マシンビジョンとは?市場規模や将来性について

マシンビジョンとは

マシンビジョンとは、広義にはデジタル技術を用いた視覚情報、光学情報の活用を指します。ムーアの法則に支えられ、コンピューターの処理速度向上、画像センサーの高精細化と低価格化というトレンドによって応用範囲が広がっています。その広い応用範囲のなかでも、製造業の生産現場で活用される検査技術としての応用が特に進んでいます。そのため、狭義ではマシンビジョン(MV)は自動検査や工程自動化などのFA(Factory Automation)に活用されるデジタル画像技術を指します。ちなみにWikipediaにも項目がある言葉なんです。

この「画像技術」というのがくせ者で、非常に範囲が広いです。何せ光などを適切に捕らえるための撮像システム、それを処理するコンピューターのハードウェアとソフトウェアすべてが関わってくるのですから。

人間に喩えると、目と脳(+そして場合によって照明)全体がMVということになります。

…そうなんです!

MENOUの社名もここから取りました。しかも、目と脳のイラストを描いてみたら、なんとメノウ(瑪瑙)に見えるではありませんか(笑)?
しかも、目の網膜は視神経が発展したもので、視神経も脳の奥まで直接つながっていて、「眼は脳の一部」とも言われているんです。

市場規模

さて、本題に戻りましょう… 非常に技術領域の広いマシンビジョンだけあって、市場規模も大きいです。 特に大量生産の行われるエレクトロニクスや半導体の製造では大量の画像検査装置が使われています。

6社ほどの調査会社の結果を総合すると、2021年現在、100~110億ドル、つまり1兆円以上の市場規模があるんです!

各調査会社も多分苦労されているのが、「マシンビジョン市場」をどこまでだと定義するのかによって、数値が変わってくる点ではないでしょうか。
なぜなら、マシンビジョンといっても産業用カメラ、解析用のハードウェアそしてソフトウェアが含まれますし、さらには開発サービスやメンテナンス、そしてシステムに関わる諸々のモノやコトがあるからです。工場システムと繋がっていたり、経営管理システムとつながっていたりすると、どこまでをMVに含めるのかも悩ましいところです。しかし、いろんな会社のデータを集約すれば、およそ1兆円位ありそうなのは間違いなさそうです。

しかも年率約6%で成長中。2026年頃には1.5兆円にまで伸びそうです。

内訳は?

MV市場を製品別に分けると、MVシステムが最大、次に画像検査装置、カメラや撮像装置が続き、AIソフトウェアという順で大きいようです。当たり前かもしれませんが、AIソフトウェアの成長率が一番高いですね。

MV市場を用途別にみると、やはり半導体向けが多く、次は外観・測定検査用途、そして電子基板向けという順で市場規模が大きくなっています。

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