エリアセンサーカメラ とラインセンサーカメラ(リニアセンサーカメラ)の違い、特徴・比較について
工場の製品チェックを自動化する「外観検査」。そこで活躍するカメラには、
大きく分けて「エリアカメラ」と「ラインカメラ」の2種類があります。
「撮影のしかた」がまったく違います。私たちになじみのある身近なものに例えて、その違いを分かりやすくご紹介します!
1.エリアセンサーカメラ とラインセンサーカメラ(リニアセンサーカメラ)の違い
■エリアカメラは「スマホのカメラ」と同じ!
エリアカメラは、私たちが普段使っているスマートフォンやデジタルカメラと同じ仕組みです。
どうやって撮るの? シャッターを切った瞬間に、四角い範囲を「面」で一気にパシャッ!と撮影します。
どんな検査が得意? 電子基板や小さな部品など、カメラの前でピタッと止まっているものを撮るのが得意です。
設置や設定も比較的シンプルなので、多くの現場で活躍しています。
■ ラインカメラは「コピー機やスキャナー」と同じ!
一方のラインカメラは、オフィスのコピー機やスキャナーと同じ仕組みを持っています。
どうやって撮るの? 細長い光のセンサーを使って、ベルトコンベアを流れていく製品を「線」でスーッと1行ずつ読み取り、それをつなぎ合わせて大きな1枚の画像にします。
どんな検査が得意? トイレットペーパーやフィルムのような「途切れない長〜い製品」や、高速で次々と流れてくるものを撮るのが得意です。また、クルクル回る缶のラベルを「展開図」のように撮影することもできます。
2.【比較と選定基準】結局、どっちを選べばいいの?『※比較サマリーの画像添付』
実システムの設計において、どちらを採用するかは対象物の「形」と「動き」で決まります。
まずは以下の表をご覧ください。
比較項目 エリアセンサーカメラ ラインセンサーカメラ
撮影のイメージ スマホ(面でパシャッ) スキャナー(線でスーッ)
対象物の動き 静止、または視野内での位置決め 連続した一定方向への移動(コンベア等)
カメラの制御 トリガー信号による単発撮影 エンコーダパルス等による厳密なライン同期
照明の当て方 視野全体を均一に照らす面照明 走査線上に集光する極めて高輝度なライン照明
主なユースケース 基板実装の検査、ロボットピッキング フィルム・鋼板・印刷物、円筒形の製品
どっちを選べばいいの?
難しく考える必要はありません。検査したいものが「どんな形で」「どう動いているか」でピッタリなカメラが決まります。
一つひとつ形のある部品をチェックしたい
面で一気に撮る「エリアカメラ」がおすすめ!
途切れない長いシートや、高速で流れるものをチェックしたい
線で細かく読み取る「ラインカメラ」がおすすめ!
お客様の製品や工場の環境に合わせて、最適なカメラをご提案いたします。画像検査の導入で迷ったときは、ぜひお気軽にご相談ください!
3.【プロの裏話】実は「エリアカメラ」で構築したいエンジニアは多い!?
ここまで基本を解説しましたが、実際の現場では「ラインセンサーは設定がシビアだから、多少工夫してでも扱いやすくて応用が利くエリアセンサーでシステムを構築したい!」と考えるエンジニアが非常に多いのも事実です。
最後に、エリアセンサー最大の武器である「面の情報量」「多彩な照明テクニック」「搬送トラブルへの強さ」を活かした、3つの底力をご紹介します。
① 「面全体」の繋がりを活かした補正力と、搬送トラブルへの強さ
流れる製品をエリアカメラで連続撮影して繋ぎ合わせる際、画像には前後の「重なり」が生まれます。
高度な画像処理技術を使えば、この重なりを基準にして綺麗に繋ぎ合わせることが可能です。
ラインカメラはコンベアの速度が少しでも変動すると画像が伸び縮みしてエラーになりますが、
一瞬を面で切り取るエリアカメラなら、搬送ラインのわずかな速度変化にも柔軟に対応できるという圧倒的な安心感があります。
② 「縦横の空間」を瞬時に把握する力と、複数台連携のメリット
「縦と横の空間的な位置関係」を瞬時に把握できるのは、面で捉えるエリアカメラだけの特権です。
最近では数千万〜1億画素クラスの超高解像度エリアカメラも登場しています。
巨大な対象物であっても、安価で設定が簡単なエリアカメラを複数台並べることで、
ミリ単位の設置精度が求められるラインカメラを1台導入するよりも、
トータルコストを抑えつつメンテナンス性を格段に上げるケースが多いのです。
③ 見えにくいキズも確実に浮かび上がらせる「多彩な照明テクニック」
ラインカメラは「細い直線の光」しか当てられないため、特定の角度でしか見えないキズには対応しきれないことがあります。
その点、エリアカメラなら「ドーム照明」で柔らかく照らしたり、
斜めから光を当ててザラつきを浮かび上がらせたりと、多彩な照明テクニックをフル活用できます。
さらに「グローバルシャッター機能(全画素の同時撮影)」とストロボ発光を組み合わせれば、
どんなに高速で流れる製品でも「ピタッ」と静止したようなブレのない画像を確実に捉えることができます。
画像検査の導入で迷ったときは、お客様の製品や工場の環境に合わせて最適なシステムをご提案いたします。ぜひお気軽にご相談ください!

